安定限界化陰的制御の最適制御理論的意味付けについて

摘要

本報告では,ラグランジュポイントの安定限界性が陰的制御によるものだという見方をすることで,全ての閉ループ極を虚軸上に配置するフィードバック制御則に何か意味があるのではという着想を得,安定限界化陰的制御の意味合いを考察した．その結果,陰的制御に最適陽的制御を付加するプラグイン最適制御において,評価関数のコスト最小化を考えると安定限界化陰的制御則が得られることを示した．本結果と先の結果から虚軸上への極配置にはなhらかの物理的意義があるように思われる．今後はこれらの制御理論的考察と力学的考察が関連付けられるかどうかを考察する．閉ループ系の極を虚軸上に配置するような制御則は通常あえて用いることは少ないと思われるが力学的な作用を制御則と捉えると実際にそのような制御則が存在するとみなせる．ある意味で特殊な制御則の実例が存在する点が興味深いと考えている．ただしここで示した結果は,(a) 1入力系である,(b)Q_E,Q_ν を対角行列に制限している,などの条件が付加されている．今後はより一般系に対する解を求める．