知的生産性に関する研究 その10 職種等による行動時間割合と環境重要度の特徴

摘要

１）様々な職種等に関し、ワークプレイスにおいて必要 とされる能力と、オフィスワーカーの意識?行動? 体験（Behavior）、および環境要素との関係を明確化 することを目的とし、Web アンケートを行った。 ２）Behavior としては、「情報処理」「収束的思考」「拡散 的思考」「リラックス」「リフレッシュ」「フォーマル コミュニケーション」「インフォーマルコミュニケー ション」の７種を対象とし、その行動時間割合、行 動重要度割合、およびBehavior 別の環境要求度割合 を検討した。 ３）執務時間中の各Behavior の時間割合?重要度につい ては、情報処理の占める割合が30%以上と最も大き く、次いで収束的思考、拡散的思考の順であった。 執務時間中の各行動の時間割合は、職種や役職によ ってその特性が異なることがわかった。職種別では、 事務従事者の情報処理の割合が51%と高かった。役 職別では、情報処理の時間割合は、派遣社員で51% と最も高く、経営者で31%と最も短かった。 ４）環境重要度は、執務者のBehavior ごとに異なった。 情報処理に関しては、IT、温熱、光環境の要求度が高 かった。情報処理と比較して、収束的?拡散的思考 については、音および空気質環境の要求度が高かっ た。リラックス?リフレッシュには、空気質環境、 緑の有無、空間環境、インテリアに対する要求度が 高かった。 ５）執務者の特性に応じた、行動時間割合や環境重要度 を提示するツール（OCCUPATIONS）の概要と典型的 な属性の結果例を示した。