留年生のやる気を増進するためのTA の有効活用

摘要

最近，ようやく景気回復の兆しが見えつつあるが，中国および東南アジアの経済の急成長と比較すると，地方経済に関しては依然不況が継続している．工業高等専門学校は，重要な役割の一つとして，産業界のリーダーとなるべく創造力豊かな技術者の養成に尽力しなければならない．同時に，自身の将来像や経済回復の見通しに不安を感じている学生に対して，キャリア教育の実践はより実用的な成果を得るものでなければならない．しかしながら，留年生は現役生と比較して，学業に対するモチベーションが低いため，キャリア教育の実践は困難である．本研究は，留年生のモチベーションの向上の一方策として，留年生にやる気を持たせるきっかけとして出前授業や公開講座のTA活動に参加してもらった．その成果を確認するために，10年間の追跡調査を踏まえてキャリア教育実践におけるTA活動の有効性について総合的に検討した．