マイクロマシン／MEMSの開発

摘要

マイクロマシンとMEMS（Micro Electro Mechanical System）は同義語ではないという専門家もいるが，現在までに研究·開発·試作されたマイクロマシン（MEMS）には，図１に示すように様々な分野の様々なものがある．歴史的にはマイクロマシンの開発は，1980 年代にリソグラフィ技術を用いて，①マイクロ歯車や②マイクロリンク機構，③静電マイクロモータが試作され，またLIGA プロセスを用いて，④極小のマイクロ歯車や⑤歯幅が数十μｍ以上のマイクロ歯車，⑥マイクロタービン翼が試作され，⑦マイクロ歯車を組み合わせて減速機として直径1.9mm のマイクロモータが商品化されている．さらに超精密研削/切削盤を用いて，⑧ピッチが20μｍのマイクロねじ，⑨マイクピンアレーや⑩観音菩薩の彫刻，などが試作された．そして1990 年代，マイクロマシンの萌芽的な数多くの研究が行われ，（11）マイクロマシンの駆動に有効な櫛形アクチュエータや，（12）マイクロタービン，（13）マイクロ歯車を複雑に組み合わせたマイクロメカニズムが試作·開発された．2000 年代に入ると，（14）マイクロピンセット，（15）マイクロポンプ，（16）マイクロミラーなど，実用に近いマイクロマシンが開発され，（17）超精密に加工された地球儀や，（18）流量／圧力センサ，（19）マイクロ流路，（20）ミュウチップまでもが，MEMS としてその研究成果が発表され，近年では，21 ゲーム機に内臓した加速度計が，MEMS 製品として身近に出現し，今年中にはマイクロ·プロジェクターが市販されようとしている．このような開発の歴史の中で，マイクロマシン／ＭＥＭＳの共通のイメージも変遷し，また，製品を販売するための営業用語として，企業が技術力の高さを示すための用語として，マイクロマシン／MEMS が使われ始めている．本報では，マイクロマシン／MEMS について，従来の機械（大きな世界の機械）に対比して考察したことについて報告する．