PV発電電力を考慮したワンウェイ型EVシェアリングシステムの最適運用計画

摘要

近年，電気自動車（EV）を導入したカーシェアリングが注目を集め，国内外で様々な実証試験が行われている．EVシェアリングの普及によって，そのサービス提供地域の電車やバスなどの公共交通機関の機能を補完するだけでなく，排ガス由来のCO_2排出量の削減が期待できる．一方，EVの走行に必要な電力エネルギーについても，化石燃料を用いた火力発電などによるエネルギーではなく，太陽光発電（PV）などの再生可能エネルギーによって補うことで，エネルギー消費由来のCO_2排出量をも削減できる．しかしながら，再生可能エネルギーを考慮した充放電計画を行うためには，各EVの蓄電残量値（State-of-Charge，SoC）についても，その時系列変化を含めて把握する必要があり，さらに，各SoCは各EVの利用状況の影響を受けるため，各利用予約に対するEV の割当も同時に考慮しなければならない。そこで本研究では，PV設備を導入したワンウェイ型EVシェアリングにおける運用計画の最適化手法を提案する．提案手法では，各利用予約に対するEVの割当と，PV発電電力の発電予測を考慮した各EVの充電計画，ワンウェイ型サービスで必要となるEVの配車計画について，同時に最適化する0-1混合整数計画問題として定式化し，その最適解を求めることによって各EVの最適運用計画を立案する．最後に，計算機実験を行い，EVシェアリングシステムの振る舞いについて考察を述べる．