力センサ付き高速工具サーボ機構に関する研究－大面積マイクロレンズアレイの加工

摘要

マイクロレンズアレイは光学通信機器や液晶ディスプレイなど様々な分野で用いられている．これらの製造方法としてイオン交換法，紫外線リソグラフィ，レーザ描画などがあるが，加工時間が長いことから，主に液晶などに求められる大面積の加工には適していない．本研究では円筒面にダイヤモンド切削を行い，転写加工することを提案する．マイクロレンズアレイ加工にダイヤモンド切削を適応させる場合，工具半径数十μmから数μmの微小な工具を用いる必要がある．これら微小半径の工具を用いる場合，摩耗や破損などが問題となることが予想される．したがって，なるべく工具にかかる負担を小さくすることが望ましい．高速工具サーボの後部に力センサを配置することで接触を検出して試し切り等の無駄な切り込みを最小限に抑え，マイクロレンズアレイの加工を行う．本報では，力センサ付き高速工具サーボを設計·試作し，接触検出実験および加工実験を行った結果について報告する．