実時間価格提示による分散型充放電管理方策に関する考察

摘要

再生可能エネルギー源や蓄電池を活用した次世代の分散型エネルギー需要·供給ネットワークの実現が求められている［1］，［2］．小型の発電機や蓄電池が大量に導入された新たな形態のエネルギー需要·供給ネットワークは大規模であり，中央集中型の情報処理機構により運用することは困難と考えられる．また，分散型エネルギー需要·供給ネットワークは，各々が戦略的な振る舞いをする異種エージェントとこれらを組織化し公共の利得を確保しようとするユーティリティーから構成されると捉えられる［3］．このとき，個々の需要家，供給家は，主体的／分散的に発電量，消費量などを決定する機会をもち［4］，［5］，デマンドレスポンスやリアルタイムプライシングと呼ばれる枠組みを活用した需要·供給バランスの達成などが，その重要性を増してくると考えられる［6］，［7］．