CRPA 技術による衛星航法のマルチパス誤差低減（続報）

摘要

GNSS の欺瞞信号に対する脆弱性に対して、CRPA技術（特にビームフォーミング）を適用することによる対策を検討し目標とするブロック図を示した（図5）。衛星からの直接波以外に建物等で反射した反射波を受信するマルチパス現象に着目し、直接波とは別の方向から到来する反射波を欺瞞信号に見立て検証を行った。一つの衛星方向に指向したデジタルデータでどの程度、不要波の影響を低減できているかを確認するために図6 のブロック図で測位までを行った結果、CRPA 技術の適用時には、測位結果の標準偏差が非適用時の30%に低減し（表3）、CRPA 技術が脆弱性対策として有効であることが確認された。また、一つの衛星方向に指向したデジタルデータで測位を行った場合（図6）、指向方向にない衛星はマルチパス誤差が大きくなる可能性があり（表4）、指向した方向と相関器を一対一に対応させる必要があることが改めて確認された（図5）。