レスキューロボットコンテストにおけるレスキューダミーのセンシングに関する考察

摘要

災害救助をテーマとしたロボットコンテストであるレスキューロボットコンテスト（レスコン）[1]において，レスキューロボットの救助対象として，人体の6分の1 のモデルであるレスキューダミー（ダミヤンと呼称される）が導入されている．このレスキューダミーは，ウレタンとシリコーンによる人体に近い柔軟構造と重量をもち，また，頸部と胴体部にかかる外力と静的加速度（および衝撃）を計測し，内部のテレメトリ回路を通してホストPCに逐次送信することが可能である[2]．これらの値から，ダミーが受ける痛みの値を算出し，レスキュー活動の評価を行っている．また，2009年の第9 回レスキューロボットコンテストから，各々のレスキューダミーに個体識別情報を付与する目的で，頭部にフルカラーLEDを使用した眼の発光回路と，圧電ブザーを用いた音声回路が実装された[3]．本報告では，2011 年の第11 回大会におけるレスコン競技での各チームのロボットが行う救助活動でレスキューダミーが検出した外力を検証し，評価の高いレスキューロボットの競技へのアプローチの方法を考察し，今後のダミーの改善指針を模索する．