車輪下の砂粒子挙動を3次元的に可視化するー放射性同位体を用いた砂粒の運動解析手法の導入

摘要

本論文では，転動する車輪下における砂粒の運動をPEPTによって3次元軌跡を可視化する手法を提案し，すべり率を0から50％に変化させた場合の砂粒の運動軌跡を明らかにしたことについて述べた．本結果はこれまで観察することができなかった砂粒軌跡の3次元的な運動について明らかにする手法を提案し，その有効性を検証したという意味で新しく，意義のあるものである．また，テラメカニクス分野において盛hに検討されている離散要素法（DEM）や有限要素法（FEM）の検証や，これまで用いられてきた接地圧分布による駆動力の計算方法などをより発展させるための基礎的なデータを提供したという意味でも重要である．今後の方向性として，まず，すべり角を持つ場合や制動時のデータ取得を行うこと，さらに，テラメカニクスのための相互作用に関するモデル構築において，砂粒の運動からDEMの粒子と相互作用のモデル構築，駆動力などとの相関関係の解明などが考えられる．