大阪大学「高機能化原子制御製造プロセス教育研究拠点」の教育研究成果

摘要

本拠点（高機能化原子制御製造プロセス創出教育研究拠点）では，多くの製造技術開発拠点が行っている「装置精度依存型」のアプローチではなく，表面科学や量子計算科学などの基礎科学をもとに，精緻な自然現象を探索し，その「現象精度」を利用した新たな高機能化原子制御製造プロセスを開発するという世界に類のないコンセプトのもとに形成され，物づくりの「先導」から物づくりによる「価値創造」までを目標としている．製造技術が具備すべき『機能』に広領域加工における原子レベルの制御性と環境調和性を挙げ，その実現を「価値創造」の機軸としている．そして，この「価値」を共有する国内外の教育·研究機関や民間企業との連携によって，広範な科学技術が結集する真にグローバル化した教育研究環境を構築し，このもとに行う教育·研究プログラムを通して，高い独創性と自立心をもち，国際感覚と異分野との融合能力を備えた，次世代製造プロセス開発を担う若手研究者を継続的に輩出することを目的としている．ここでは，これまでの取り組みとその成果について概観する．