流れ観察による押出過程での不安定流動現象の発生評価

摘要

押出成形において、押出成形品の生産性向上のために押出速度の増加が求められている。しかし、ある押出速度以上になると、メルトフラクチャー(押出物が体積歪みを起こしたもの)、シャークスキン(押出物表面が鮫肌のように傷ついたもの)などの不安定流動現象が発生することが知られている。過去の研究から、ダイ流入部における不安定な流れによりメルトフラクチャーが発生すると考えられている。一方、ダイ壁面で流体がスリップすることでシャークスキンが発生することが報告されている。しかし、どのような不安定な流れによって押出物の形状が変化するかは明確にされていない。本研究では、ダイ内部の流れについて着色剤を用いて観察し、どこでどのような流れよりメルトフラクチャーとシャークスキンが発生するのか明らかにすることを目的とした。