マイクロ流路を用いた層流下における銅の腐食挙動

摘要

我々は，従来から半導体微細加工技術を利用したMEMS （Micro Electromechanical Systems）に関する研究を行っている．最近では，MEMS技術を用いたマイクロ流体デバイスによる化学領域の研究が世界的に盛hになっている．マイクロ流体デバイスでは，寸法が小さいことから，レイノルズ数が小さく，界面近傍において層流状態を維持したまま，かなり大きな速度勾配を発生させることができる．すなわち，大きなせh断力を制御性よく発生させることができ，また物質供給についても解析が容易となる．そこで，我々は流れ環境下における腐食挙動の基礎的理解を深めるために，マイクロ流体デバイスを用いて腐食挙動の観察を検討した．本研究では，最初のアプローチとして，ガラス板にマイクロ流路を形成し，様々な流速下において，流路上に成膜した銅膜の腐食挙動を観察することにした．