砥粒挙動を再現した歯車研削シミュレータによる研削温度推定

摘要

現在，連続創成歯車研削加工において研削焼けを防止するために，大量の冷却液が必要となっている．より少ない供給量で済むような効率的な冷却法を提案するためには，冷却効率を定量的に評価する必要がある．しかしながら，連続創成歯車研削加工では，砥石や被削材が高速回転しながら加工が進むため，安定的に温度を求める技術が確立されていない．近年，研削加工分野において，シミュレーションの有用性に着目した研究が増えている．Ghoshらは平面研削をモデル化し，各砥粒の切り込み深さや研削力から研削エネルギーを求めた．Liらは平面研削加工において，砥石表面に存在する砥粒をモデル化し，各砥粒の発熱量を切り込み深さ等から推定することで，被削材表面の温度変化を求めた．しかし，これらはいずれも平面研削加工における温度変化やエネルギーを求めており，よりモデルが複雑である歯車研削加工への応用はされていない．