延伸したポリ乳酸シートのレーザ加工によるマイクロニードルの作製と強度·穿刺性能の評価

摘要

筆者らはこれまで蚊を模倣した痛みのない注射針の開発に取り組hできた．蚊の針は7つのパーツにより構成されている．この中で我々が重要だと考えている部位に小顎と上唇がある．蚊は上唇とそれを保護する小顎を用いて低い侵襲性で穿刺を行っている．この子顎は2対の針となっており先端には独特なギザギザ形状がついている．我々は過去の研究でフェムト秒レーザ加工装置を用いてこの子顎を模倣したステンレス製のマイクロニードルを作製し，人工皮膚への穿刺に成功した．しかし，ステンレスの微細レーザ加工は時間がかかるという問題点がある．一方マイクロニードルの製作法として，射出成型を用いた生体適合性が高いプラスチックとして知られるポリ乳酸製のマイクロニードルの作製にも取り組hできた．しかしながら，注射針のようなアスペクト比の高い形状の作製が難しくバリなどの成形不良が生じやすいという問題点がみられた．