全血での血液検査パッチを目的とした採血用マイクロニードルの開発

摘要

血液検査は医療現場で最も基本的な検査のひとつであり，初期診断から臨床研究に至るまで広く利用されているが，その実施にはいくつかの問題点が指摘されている．ひとつは医療関係者の負担である．一般的な血液検査における採血は医療機関の採血室や病室にて，患者の前腕部の皮下静脈に採血針を穿刺することで行われるが，日々多数の患者と直接接して実施しなければならないこの作業に医療関係者は長時間拘束されることとなる．また採取した血液を検査施設まで運搬し，検査のための成分分鞄検査器具へのセットなどを行うことを考慮すれば拘束時間はさらに長くなるものと考えられる．またこの時間経過によって検体が劣化し検査結果に影響を及ぼすことも懸念されている．最後の問題点は患者の負担である．採血時には静脈や毛細血管などに達する穿刺が必要となるため患者の負担が大きいことが知られている．