品質工学を用いた金型冷却構造設計の基礎的研究～金型冷却構造の機能性評価

摘要

冷却工程の時間を短縮する手段として，金型内部には冷却構造が配置されている．金型の冷却構造は，成形品の形状や大きさによって配置位置や形状が異なる．また，従来の冷却構造はドリルによる穴あけ加工であるため，加工は簡単であるが，形状が直線形状になり，複雑な形状は困難であった．しかし，金属光造形複合加工法等の金型加工技術の登場により，成形品形状に沿った曲線形状の冷却構造を配置することが可能になった．曲線形状は，直線形状と比較して，冷却効率が良く，温度のむらが少ない．これらの冷却構造により，高い冷却効果を得るためには，成形品形状に合った冷却構造の配置及び形状を設計する必要がある．そこで本研究では，技術開発や製品開発を効率良く行うための手法として注目されている品質工学を利用し，成形品に適した金型冷却構造の設計を行い，均一冷却を目指す．