型彫り放電加工による炭素繊維強化プラスチックの加工に関する研究

摘要

炭素繊維強化プラスチック（CFRP）は在来の材料と比較して比強度，比弾性，耐疲労性，耐摩性など多くに優れた特性をもっており，鉄，アルミに続く第3の汎用材料として成長すると考えられている．しかし，CFRPは複合材料であることから切削や研削のような機械加工ではバリ，層間剥離，工具の低寿命など多くの問題が生じる．そこでCFRPの加工に対して特殊加工である放電加工が有効であると考えられ早川らによってCFRPの放電加工についての研究が報告されている．しかし，近年始まったばかりの研究分野であり，いまだ未知の部分が多く，従来の金属材料と同等の良好な加工を行うことは困難と言える．そこで本研究ではまず，CFRP型彫り放電加工条件の探索をおこなった後，電流·電圧波形の測定，ワークの観察，また放電によるCFRPへの熱の伝わり方に伴う材料除去についての考察を行うことで加工特性を解明し，次に，より良い加工法の提案を行うことでCFRPの型彫り放電加工法の改善を目的とした．