被削材のボクセルモデルを用いたエンドミル加工の切削力シミュレーション 第1報：ボクセルを用いた実切り込み厚さの計算

摘要

機械加工において, 加工条件の最適化や加工能率の改善を達成するためには加工状況を把握することが重要となる．加工状況を把握する一つの指標として切削力が挙げられ, 過去に研究された切削力シミュレーションの手法の1 つに瞬間切削力モデルがある．この手法は切れ刃と被削材の幾何学的な関係を数式で表現して実切込み厚さを計算するために, 加工形状の変化が複雑で切れ刃と被削材の関係が非一様になると切削力の推定が難しい．この問題を解消するために, 従来の瞬間切削力モデルを参考に, 被削材のボクセルモデルを用いることで切れ刃の実切り込み厚さを計算して切削力を推定する方法を提案する．この手法では, 被削材の形状変化が複雑になっても, 切れ刃の実切り込み厚さを求めることができ, 切削力が推定できる．さらに, 提案手法の有効性を加工実験で検証した．