ユビキタスネットワーク社会に向けたアクティブ光機能デバイスへの挑戦－MIM 構造型プラズモニック波長フィルタの研究開発

摘要

表面プラズモン共鳴（SPR; Surface Plasmon Resonance）は，金属の自由電子による表面プラズマ波（表面プラズモンポラリトン（SPP））と光との相互作用によって起こる異常吸収である．バイオテクノロジーの分野では，プリズムや回折格子を使用した高感度測定システムも実用化され，銀や金などの金属薄膜のチップ上での抗原抗体反応などを高感度で測定できる手法として活用されている． 近年は，SPR の強い共鳴吸収をエレクトロニクス分野に利用するプラズモニクス（plasmonics）として研究開発が盛hであり，ユビキタスネットワーク社会における可視光通信や環境センサを志向したアクティブ光機能デバイスの実現が期待され,さらには太陽電池などエネルギー材料としてのプラズモン材料を利用する研究も期待されている．本講演では，このような光通信や環境センシングなどを志向したアクティブな光機能デバイスとして，金属-誘電体-金属構造（MIM）構造によるプラズモニック波長フィルタの光機能特性とアクティブデバイス化に向けた取組みについて紹介する．