投射材サイズを考慮した三次元マイクロブラストシミュレータの開発

摘要

マイクロブラスト加工は基板上に微細なマスクパターンを形成し，投射材が噴射されるノズルを基板上に走査することで，基板上に微細な溝や穴を高速に形成可能な加工法である．加工形状はマスク材の摩耗や投射材のサイズに影響するため，これらを考慮した高精度な3次元シミュレータが必要となる。我々はこれまでにセルラーオートマトン（CA）法と粉体摩耗理論1）を組み合わせることによる，マスク材の摩耗を考慮したマイクロブラスト加工の3次元加工形状シミュレータを開発しており, シミュレーション結果が，ガラス基板の実験結果と一致することを報告している2）。このシミュレータでは加工空間を，材料の種類と摩耗量の情報を有する多数のセルに分割しており，決められたルールに従って3Ⅹ3セルの中の材料の酉己置パターンから投射材の入射角を決定し，入射角に応じたセルの摩耗量を算出することで加工形状を予測できる，しかし，投射材のサイズを考慮していないため，投射材サイズはセルサイズと同一となり，高精度に加工形状を予測することが困難である．