シリンダ壁面から入射した超音波による油膜形成状態の観測

摘要

例えば，HV車の普及やアイドリングストップの採用により，近年のエンジンは頻繁な起動と停止の繰り返しを強いられており，そのような極低速下でのピストンリング先端油膜の確保が重要視されている。?方で，ピストンリングの薄幅化や低張力化に伴うオイル消費量の増大も重要な問題であり，上記のリング先端膜厚に影響を与えない範囲でシリンダ壁面への付着油膜を薄くすることが望まれている。本研究では，縦波パルス超音波を用いて，摺動状態でのそれら2つの膜厚挙動の連続測定を実施し，少量の潤滑油での安全な運転確保に向けた簡単な評価法を検討してきた．本報では，シリンダ外壁面から潤滑面に向けて入射させた超音波により，特に，オイル消費量に関係が深い付着膜厚さに対する各リング合口の相対位置の影響を調べた結果について述べる。