釧路高専における設計工学の高度化につながる多面的な工学教育の実践

摘要

大学や高専で機械工学を学hだ後，製造企業で設計業務に従事することを志望する学生にとって，機械設計。製図に関する専門科目は特別な意味を持つ。機械工学の主要とされる4力学や材料学などの専門科目も設計に必要な知識に過ぎないと言う見方もできる．製図は，これら設計内容を共通の情報形態で表現し，意思疎通を図るための科目である，このように，これら実学的知識は必須であり，企業側もこれらを履修していることを評価し，機械卒の学生を積極的に採用するのである，従って，このような企業ニーズが続く限り，この基礎を教える高専としてはこれらの教育を疎かにすることはできない．その一方で，消費者優位のマーケットインが益々強まる傾向にあり，製造企業は多種多様な市場ニーズに対応するために柔軟な設計発想も求められ，企業設計者が具備すべき時流に応じた能力を鍛えるための科目も実践的教育1）－2）を旨とする高専に望まれる，本報では，釧路高専が実践してきた設計。製図教育並びにこれらに関連性に高い科目について説明すると共にこれまでの実績を踏まえ，今後の展望をついて述べる．