拡散性水素低減トーチのガス流体解析

摘要

溶接金属の拡散性水素を低減させる方法については過去に多くの研究がなされている．その多くは溶接材料に関するものであるが，近年，溶接装置からの拡散性水素低減手法として，水分やその他の水素源の発生，侵入経路を考察·確認した結果を元に，二重構造のガスノズルを備えた新たなトーチ（拡散性水素低減トーチ）を用いた溶接プロセスが開発され，GMAW，FCAWの拡散性水素量低減を図れる可能性が提唱されている［1］．この手法において，水素源の吸引効率向上には，吸引ガス流の精密な制御が不可欠となる．本講演では，吸引ノズル構造やトーチ運転条件が吸引ガス流に及ぼす影響について数値解析を行った結果について報告するが，本予稿では紙幅の都合上それらの中で標準となる条件での結果についてのみ示す．