純Al薄膜をフィラー材料として用いた純Tiと純Mgの異材摩擦攪拌接合

摘要

近年、自動車や航空機分野において、環境問題や燃費低減の観点から、比強度が高いTiなどの軽量材料が注目されている。更なる軽量構造物の製造や、Ti使用量削減による低コスト化のた桝こ、Tiと他のさらなる軽量材料との異材接合は、重要な研究である[1］。しかしながら、異種材料の物理的性質が異なるため、従来の溶接法による異材接合を行うことは困難である。この間題を解決するために、固相接合である摩擦擾絆接合（FSW）が使用されている。Ti以外に代表的な軽量材料として刃およびMg合金が挙げられる。FSWを用いたTiとAlとの異材接合は、接合界面に0.1 mu m程度の薄いTi/Al金属問化合物層が形成されるため、健全な継手が作製できる［1］。しかしながら、TiとMgは二相分離系であるため、TiとMgとのFSW継手を作製することは困難である。AlはTiと反応し、金属問化合物を形成するだけでなく、Mgに固溶し、Al/Mg固溶体を形成することができる。そこで本研究では、Al薄膜をフィラー材料としてTiとMgの両方と反応させることで、Ti/Mgの異材FSW継手を作製した。得られた継手の機械的性質に及ぼす接合パラメータやAl薄膜の厚さの影響を調査した。さらに、接合界面を詳細に調査することにより、Al薄膜をフィラー材料として用いたTi/Mg異材FSWの接合メカニズムについて検討した。