ティグ溶接におけるアークプラズマのゆらぎとヒューム粒子群の成長·輸送過程の相関に関する数値解析的研究

摘要

アーク溶接において生成するヒュームはシールドガス流と共に外部へ輸送される。ヒュームは直径が数ナノメートルから数百ナノメートルの超微粒子を一次粒子とする集合体であることが知られており，溶接作業者が吸引した場合には健康被害が懸念されるが，逆にアーク溶接は超微粒子を容易に創製できるプロセスと見なすこともできる1）。いずれにしてもアークプラズマ周辺におけるヒュームの生成·成長および輸送過程を理解することが重要であるが，実験計測によって詳細なメカニズムを明らかにすることは簡単ではない。そこで本研究では，超微粒子群の集団的成長および対流·拡散輸送を同時に簡便に表現できるモデル2）を用いてシミュレーションを行う。そして得られた数値データを解析し，アークプラズマの揺らぎとヒュームー次粒子群の成長·輸送との相関を明らかにする.