Zr基金属ガラスとステンレス鋼のマイクロ抵抗スポット溶接部における通電路形成過程

摘要

高強度かつ低ヤング率という特性をもつZr基金属ガラスは，圧力センサのダイヤフラム部などへの利用が考えられており，そのためにステンレス鋼のような汎用構造用材料との溶接が必要不可欠となっている．この場合，他の異種金属の溶接と同様，接合界面に脆弱な金属間化合物を多量に形成させないことが望まれる．さらに，金属ガラスの場合はその溶融部および熱影響部でアモルファス構造を維持する必要があるため，溶接中の温度履歴および温度分布はプロセス最適化のための最も重要な因子となる．抵抗スポット溶接における温度評価に対しては有限要素法が有効であるが，正確な温度解析には接触抵抗や通電径などの値が必要となる．しかし組織観察では金属ガラスの溶融凝固部は母材との区別がっかず，溶融ナゲットや通電径の評価が困難であるのが現状である.