止端形状と残留応力の制御による継手疲労強度の改善

摘要

溶接構造物を設計する際、疲労強度を考慮しなければならないケースは多い。概して疲労強度は応力集中に敏感であり、溶接継手の場合は特に応力集中を生じやすい余盛部と母材の境界部（溶接ピード止端部）から疲労亀裂が発生。伝播する例が少なくない1）。また、止端形状だけでなく残留応力も関与していると言われており2）、そうした観点から溶接材料を開発している例もあるが、極めて特殊な構造あるいは高価な原材料を用いる必要があるといった課題がある3）。そこで本研究では、疲労強度に影響を及ぼすビード止端形状と残留応力の寄与度合いについて理論的考察を行い、開発中のフラックス入りワイヤ（以下開発FCW）および溶接法を用いて検証した。