SUS304ステンレス鋼摩擦圧按継手の引張強さおよび疲労強さ: アプセット過程の変形入力およびアプセット寄りしろによる継手強度の評価

摘要

摩擦圧按法は，異種金属の接合が可能であり，溶接の自動化に適しているなどの利点を有している．しかしながら，摩擦圧按施工においては，被圧按材の種類およびその形状·寸法，摩擦圧接機が異なると，適切な圧接条件範囲も異なるなどの問題点がある．また，個々の摩擦圧接条件因子の変化による摩擦圧按継手の強度評価に関する研究は，従来から数多く報告されているが，複数の摩擦圧接条件因子を加味したパラメ－夕ーを用いて継手強度を系統的に評価した報告は見あたらない．そこで著者らは，適切な圧接条件を理論的に求めるために，摩擦圧接中に投入される入力（機械的仕事）に着目し，これと摩擦圧接継手強度との関係について検討している．これまで，ブレーキ式摩擦圧接において入力を回転摩擦による摩擦入力と軸変形による変形入力に分け，摩擦過程，アプセット過程および全過程のそれぞれの入力と継手強度との関係について検討した．その結果，5056および6061アルミニウム合金やS15CK炭素鋼の継手強度がアプセット過程の変形人力で評価できることを明らかにした．さらに，アプセット過程の変形入力の増加に伴いアブセット寄りしろが増加することから，アプセット寄りしろによっても継手強度が評価できることを見いだした．