縫合針シャトル機構の検討

摘要

近年，手術用支援機器の発展は著しく，Intuitive Surgical社のda Vinci 1）やComputer Motion社のZEUS等が開発されており，その他にも，手術の技能の向上や医師の負担低減等の観点から，様々な研究がおこなわれている．一例として，体内の高画質画像をリアルタイムに送信し，マスタースレーブシステムによる精密な操作で，遠隔地から手術支援をおこなうロボシトシステムが登場し，手術の技術レベルを向上させている。なお，手術支援ロボットの導入には多額の資金が必要である。このような大規模な手術支援ロボットの開発が進hでいる中で，本研究では，術者の手術の技術力を伴う患部の縫合に特化した縫合手術支援用の器具2），3）の初期検討をおこなう。術者の熟練度に関わらず効率良く縫合するために，片手で操作できる縫合用器具が求められており，この器具の開発の初期段階として，縫合針を受け渡すためのシャトル機構を検討する。