表具作製の増裏打ち工程において用いられる伝統材料の重要性と接着作業の熟練度について

摘要

本研究では、2層目の和紙の接着である「増裏打ち」と呼ばれる工程に注目し、技術の習得が困難であるとされる作業の理解を深めるひとつの手段として、その工程に用いられる伝統材料の重要性と接着作業の熟練度についての検証を剥離試験によっておこなう。これにより、掛軸製作における伝統材料と伝統技術の効果を検証し、さらに、打刷毛による接着促進を視覚的に確認することを目的として、接着面の様子を電子顕微鏡にて観察する。