リン脂質/コレステロール/長鎖脂肪酸の混合脂質系で発現する非ラメラ構造の解析

摘要

リン脂質、コレステロール、長鎖脂肪酸およびその塩などの生体脂質分子ほ、分子の形状、濃度および温度やpHなどの環境因子に応じて水溶液中で様々な会合構造をとることが知られている1）。本研究グループでは、これまでに、リン脂質ノコレステロール／長鎖アルキルアミン混合系を中心に、従来の脂質分子集合体に比べて非常に大きなサイズ（mmスケール）を有するユニークな分子集合体を作製し、外湯応答的に様々な非ラメラ相を形成することを見出すとともに、その特性について報告してきた2）。本研究では、リン脂質、コレステロールに加えて第3成分として長鎖脂肪酸を用いた脂質混合系において得られる巨大な分子集合体の構造および特性について調査した。分子集合体の形状、特性、および外場応答的な相挙動について、小角および広角X線散乱（SAXS/WAXS）データの解析結果に基づき検討した。