凍結解凍による魚油と魚肉すり身の混合物の魚油分離に及ぼすポリオール添加の影響

摘要

これまでに，EPAやDHAなどの健康機能性に富む食品開発を目的として，魚油を豊富に含む魚肉すり身素材（乳化すり身）の製造と利用に関する研究を行ってきた．その過程で，魚肉すり身に魚油（トリグリセリドタイプ）を乳化混合すると，凍結解凍により魚油が分離するが，ポリオール類を添加すると乳化状態が安定化し，魚油分離を防止した凍結保管が可能であること，またその効果は乳化混合する魚油量や，添加する糖類の濃度ならびに分子量に依存することを明らかにした．今回は，ポリオールとして主にソルビトールを用い，凍結条件等による魚油の分離のしやすさや乳化物中の油球の状態等に及ぼす影響について検討した．