冷凍水産物の品質及び履歴の非破壊評価法について

摘要

平成１１年７月のＪＡＳ法改正を受け、生鮮食品品質表示規準ならびに水産物品質表示基準が平成１２年３月に告示され、同年７月より施行された。これにより、水産物についてはとくに、「名称」、「原産地」、養殖したものであれば「養殖」、凍結·解凍履歴のあるものについては「解凍」の表示が義務づけられることになった。「解凍」表示義務のある「生鮮水産物」は、一般に消費されているあらゆる種類の未加熱のものが対象となる。このような表示の適正化を図り、消費者·流通業者·生産者の利益を保護するために、解凍魚であるかどうかを正しく判別するための手法の確立が急務となっている。すぐに実用化できる技術は限られているが、ここではこれまでに提唱された種々の方法のうち、実用性の高いいくつかの方法について紹介するとともに、近年取り組み始めた近赤外分析による非破壊評価法についても紹介する。