TiO_2/Cu_2O薄膜の光触媒における中間層ZnOの酸素流量依存性

摘要

近年, TiO_2の様々な特性が注目され，特に光触媒特性では防汚申抗菌作用などがあり，ビル外壁や手術室の内壁などに応用されている．このようにTiO_2は広範囲での応用展開がなされているが，光吸収波長が紫外光に限られ可視光での反応に劣ることが欠点である1）2）。そこでCu_2Oを下層に挿入することにより，薄膜全体としての光吸収波長の拡大を試みた．TiO_2とCu_2Oはどちらとも光触媒作用があることで知られているが，ここでは常温でより安定なTiO_2を上層に配置した．しかしながら，先行研究ではTiO_2/Cu_2O薄膜の下層Cu_2O0からのCuの拡散がTiO_2の触媒作用を低下させることが明らかとなった叫そこで，中間層としてZnOを挿入し拡散防止層を作製することで，さらなる光触媒効果の向上を目的とした．