疎水性と親水性官能基を有する有機シラン分子を共吸着させた表面の作製と濡れ性挙動

摘要

材料表面の濡れ性制御技術に関する研究は様々な目的で行われている。その中でも疎水性と親水性からなる混合表面は液体を高効率かつ省エネルギーに輸送するための技術として期待されている。撥水表面に対してフォトリソグラフィーを用いて親水部を導入すると、導入した親水部の面積に応じて接触角ヒステリシス（CA報）は増加するが、液滴の滑落加速度が上昇することが報告されている。しかし、この方法では親水部の導入サイズの低下に技術的な限界がある。本研究では疎水性および親水性官能基を有する有機シラン分子を熱CVD法により成膜することで親水部を制御し、微小な親水部が表面の濡れ性挙動に及ぼす影響を調査することを目的とした。