「竹のカスケード利用」の実現を目指した加圧熱水処理残淀を原料とするEDLC電極材料の開発

摘要

竹林はタケノコを栽培するために管理されていたが、近年では海外産の安価な輸入品や生産農家の高齢化に伴って竹林が放置されるようになった。竹は生育速度が速く、放置され成長した竹林は周囲の植生を破壊、また土壌保持能力の低下の要因となり西日本を中心に竹害として深刻な問題となっている。そのため竹害を解決するために竹の有効利用法が求められている。著者らは竹の主成分の一つであるキシランから加圧熱水処理により特定保健用食品であるキシロオリゴ糖を取り出した後、固体残漆を電気二重層キャパシタ用電極材料とすることで竹から複数の高付加価値材料を生産するカスケード利用として竹の有効利用を目指している。本研究では固体残液と未処理原料からリン酸や塩化亜鉛を用いたメソ細孔を形成する賦活方法と、KOHやCO_2を用いたミクロ細孔を形成する賦活方法を組み合わせた二段階による賦活方法によって活性炭の細孔径を制御して電気二重層キャパシタ電極材料としての性能を向上させることを試みた。