ベーマイト皮膜を利用したトリス（8－キノリノラト）アルミニウムの生成

摘要

ベレマイトは天然ではボーキサイトに含まれ、その組成はアルミナー水和物である。一方で、人工的に生成することも可能であり、アルミ板を熱湯水に浸漬することで、表面に疑似ベレマイトを生成できるという報告がされている1）。これは一般にべーマイト処理と言われる。有機EL等の発光体としてトリス（8-キノリノラト）アルミニウム（Alq_3）が挙げられる2）。Alq_3は紫外光を受けて緑色発光を示すことが知られている2）。また、蛍光灯下では黄色を呈すので色素としての利用も期待できる。過去の研究で、鉱物ベーマイトと8-キノリノール（Hq）が反応してAlq_3が合成されたという報告がされている3）。本研究ではベーマイト処理したアルミ板をHq水溶液に浸すことで、表面にAlq_3が生成することを分光的に検証した。