バイオミメティックDLC搭載ステントの開発

摘要

冠動脈の閉塞や攣縮に由来する疾患の心筋梗塞は，癌及び脳卒中と並び3太生活習慣病である.治療には冠動脈ステント留置術が近年盛hに行われている。この治療漁乱入体への肉体的侵襲が大きい心臓バイパス手術を回避でき，患者のQOL(Quality Of Life）及び医療経済性に優れた低侵襲医療技術として，不可欠な技術のーつとなっている。 ステントは，Fig.1に示す金属製の網層状パイプで，冠動脈の狭窄や閉塞の治療に使用され，患部に挿入後留置することで血流を確保する．医療デバイスは金属やセラミック，ポリマー等の各種素材を組み合わせることで，必要な機械的特性は得られるが，大半の材料は生体にとって異物であり，生体適合性の点で問題が生じる．現在市販されているステントは普及が目覚しいが，薬剤コーティング層の金属基材との密着性や，薬剤放出後のステントの生体適合性薬剤の問題点について報告されつつあり，ステント表面の機能の見直しが急務となっている．