再生可能エネルギーの大規模導入を支えるスマートグリットの展開－集中/分散エネルギーマネジメントの協調

摘要

地球環境問題への対応としてスマートグリッド（「次世代送電網」とも呼ばれる）に対する関心や期待が高まっている．スマートグリッドは，様々な「時代の要請」と「技術革新」に基づく次世代のより優れた送電網全般を表す言葉であり，再生可能エネルギー発電を含む電源と需要の地理的分布や構成，既存ネットワークなどの電力システムの特性により様々な実現形態を有する．このスマートグリッドにおける電力技術としての革新的要素は，従来，専ら供給側で行われていた電力の需給バランスに関する調整を，需要側が協調して実施（集中／分散のエネルギーマネジメントの協調）する点であると考えられる．本稿では，エネルギー技術戦略と電力システムの変化における位置付け，再生可能エネルギー導入とその電力システムへの影響，集中／分散のエネルギーマネジメントの協調の実現方法の順にスマートグリッドの展開，およびガスタービン技術を含む火力発電との関係について述べる．