赤外線放射温度計を用いた過渡応答法による Teardrop 形状ディンプル面の熱伝達率計測

摘要

近年，環境負荷低減や燃料節約のためにガスタービンの熱効率向上が求められており，タービン入口ガス温度の高温化が進hでいる．このため，タービン翼の温度条件はより苛酷になり，翼の高温強度·耐久性を確保するために，効果的な翼冷却は必須である．翼内部冷却の流路壁には一般に乱流促進体としてリブが設けられており，伝熱促進が図られる．しかしリブは大きな圧力損失を生じさせるため，より圧力損失の小さい乱流促進体としてのディンプルが注目されている．単純球状ディンプルではディンプル前縁部で流れが剥離し熱伝達が悪化する．そこでChyu et al.は，ディンプル前縁部に直線状傾斜加工を施した Teardrop 形状ディンプルを提案し，前縁部における剥離を防ぐことで熱伝達が向上することを示した．しかし同時に，Teardrop 形状では圧力損失も増加した．本研究では前縁部傾斜加工を滑らかな曲線に沿って行う修正Teardrop 形状ディンプルを提案し，その伝熱促進特性を過渡応答法により調べた．また，単純球状ディンプルと平滑面についても計測を行い，比較した．