2段除湿·2段再生によるデシカントロータの高性能化

摘要

地球温暖化やオゾン層破壊といった地球環境問題の対策として，冷凍·空調分野においてもフロンや代替フロンを用いず，エネルギー効率の高い空調システムの開発が求められている．デシカント空調システムは作動媒体が空気であり，80°C以下の低温排熱が再生熱源として利用可能である．そして，除湿をすることにより設定温度の上昇が見込めるため，ノンフロン型省エネ空調システムといえる．しかし，排熱の温度が燃料電池等から得られる60°C程度の場合では夏場の高温多湿の空気からは十分に除湿された空気を作成できない．そこで本研究では，空気の流路が4 つに分割されたデシカントロータを用いて2 段再生を行うシステムを構築することにより，再生温度60°Cにおいて十分に乾燥した空気を得られることを示す．具体的には2 段再生において処理空気を並列に流す場合と直列に流す場合，および2 段除湿·2 段再生を行う場合について実験を行い，60°C程度の排熱が再生熱源として利用可能であることを明らかにする．また，デシカントロータをモデル化して解析による特性把握も行い，実験結果と比較·検討を行う．