ツバメの尾翼動作が後流と飛行特性に与える影響

摘要

ツバメは、他の鳥と比較して高い飛翔能力をもち、その理由として、体重に対して翼面積が大きいこと、翼の形状が特殊なことなどが挙げられている。Henningssonらは、捕獲したツバメを風洞に入れ、滑空しているツバメの尾翼後方に一対の翼端渦ともう一対の尾翼の渦を計測した。一方、ツバメは飛びながら尾翼を広げたり、腹部方向へ曲げたりすることがあるが、このような飛翔動作と尾翼後方の後流との関係、そしてそれらの揚力や抗力への影響は明らかになっていない。本研究ではまずツバメの飛翔軌道計測と動画撮影を同時に行い、ツバメがどのように動いたときにその飛翔軌道がどのように変わるかを計測した。次に数値解析により、観察された動作が後流や揚力などにどのような影響を与えるか研究した。