未開拓分野を拓いたArthur R. Kantrowitz

摘要

筆者は、ある研究者が独創的と言われる研究をなぜ始めたのかあるいは思いっいたのか、ある独創的な技術がその時になぜ開発されたのか、ある独創的と言われる製品がなぜ世界で初めて世の中に生み出されたのかを明らかにすることに関心がある．そこで自分が研究分野に足を踏み込みきっかけになった学部·卒業研究開始時に、たまたま文献調査を通して知ったアメリカ人研究者の足跡に興味が湧いている。そのアメリカ人物理学者はArthur Robert Kantrowitz（以降Kantrowitzと略記）である．Kantrowitzが取り組hだ分野は、流体機械である超音速圧縮機、物理化学分野の実験手段となった超音速分子線、医療機器のIntre-aortic ballon pumpの装置開発のみならず、宇宙開発における大気圏再突入問題、レーザ推進、衝撃波管、高エンタルピー流生成装置などに大きな足跡を残している．晩年には、現在、日本で言われている社会貢献にまで手を広げた．