コイル管を用いた太陽熱キャビティレシーバーのモデル

摘要

太陽熱発電とは，鏡で太陽光を集めその熱を用いて発電するシステムである．太陽熱エネルギーを利用するには，集光系と集熱系が重要である．本講演で扱うレシーバーは後者に属する．太陽熱エネルギーを高効率に得るためには，高効率のレシーバーの開発が望まれる．今回我々が扱うキャビティレシーバーは高効率なレシーバーであると考えられている．その特徴は，入射光の入口以外の面を断熱することによって輻射熱損失を抑えて，熱媒への伝熱効率を高くできる点にある．その原理は，キャビティの入口から輯射が出てゆくためには，その構造から入口に到達するまでに高い確率で再吸収が起きることにある．本講演では，われわれが最近開発したクロスリニア集光系に対する，コイル管を吸熱器として用いたキャビティレシーバーのモデルが構築される．ここで，本研究では特定の形状のレシーバーがモデル化されるが，導出されるモデルはコイル高さやコイル直径等の形状パラメーターの値が異なる同種のレシーバーへ応用できる可能性を持っていることは言及に値する．