環境浄化機能材料としての複合光触媒薄膜の作製と環境浄化

摘要

近年，TiO_2光触媒は，環境や新エネルギー分野において汚染物質を分解·除去する環境浄化，抗菌·殺菌，水素利用などへの研究開発や実用化が活発に行われている．また高機能化のため担体に固定化したTiO_2光触媒薄膜が一般的に用いられている．現在PVDやCVDなど多くの成膜技術は光触媒の高機能化に応用されているが，高真空などのプロセス条件，大型装置および高コストなどが必要とされ，実用の観点からより容易に実現できる手法が求められている．これまで粉末冶金における粉末の混合·粉砕、またメカニカルアロイング（MA）におけるセラミックスボールと金属粉末との機械的摩擦磨耗や衝突を利用した新しい成膜法としてメカニカルコーティング法（Mechanical Coating Technique，以下MCTと略記）を提案してきた。MCTによって作製したTi薄膜に高温酸化処理を加えて作製したTiO_2/Ti複合薄膜が高い光触媒機能を発現した．そして，二段メカニカルコーティング法（2-step Mechanical Coating Technique，以下2-step MCTと略記）を提案するとともにTiO_2/Ti複合薄膜を作製して複合薄膜の構造や機能を評価して比較検討を行った．本研究では，2-step MCTで作製したTiO_2/Ti複合薄膜について高温酸化処理よる高機能化，また超音波洗浄による光触媒機能の安定化を図り，光触媒機能の評価および抗菌試験によって比較·検討を行った．