表面微細構造が液滴の転落角と接触角ヒステリシスに及ぼす影響とその定式化

摘要

固体表面の濡れ性は，表面の汚れ防止や車のフロントガラスといった様々な場面で用いられる重要な指標である．主な評価指標として，固体表面上の液滴がどの程度濡れ広がるかを表す接触角や，図1のような固体表面上の液滴がどの程度移動しやすいかを表わす接触角ヒステリシスθ_R-θ_Aや転落角αなどが存在する．評価指標の中で転落角と接触角ヒステリシスの関係が重要視されており，これまでに微細構造上での液滴の挙動が明らかにされてきた．しかし，表面微細構造が転落角と接触角ヒステリシスの関係にどのような影響を及ぼすかは定量的に示されていない．そこで，本研究は，実験的アプローチを含めてこの関係を定量的に示すことを目的とする．