技術者の社会的責任を考えた倫理配慮工学の提案

摘要

技術者が持つべき“技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解”は“技術者倫理”と呼ばれ、大学や高専の工学系高等教育機関の、80％がカリキュラムに入れている。しかし企業に入れば繁忙な設計業務の中において機能やコストが目前の目標とされ習得した技術者倫理の形骸化が懸念される。この対策の一つとしては、技術者が技術者倫理を意識せずとも技術者倫理を実践できるシステムづくりが考えられる。その一つとして筆者らは倫理配慮工学（Ethics-Considered Engineering）を提唱するものである。