電気分解法による気孔率分布を有する自家骨置換性人工骨の立体造形の試み

摘要

β-TCP（βリン酸三カルシウム）などの生体内崩壊性セラミックスによる骨補填材は，生体に吸収され自家骨に置換される性質を持っている．ただし，そのためには血管や細胞の侵入のために高い気孔率を有する多孔体とする必要があるが，高い気孔率は機械的な強度の低下という問題を生じる．この問題に対し，人工骨内に機械的強度の高い低気孔率部分と自家骨置換性の高い高気孔率部分を分布させるというアプローチが考えられる．本研究では，機械的強度と自家骨置換性を両立させるために気孔率分布を持ち，さらに患者ごとに異なる骨欠損部位の形状に合わせた任意形状での人工骨の造形手法を提案する．