厚みを持つ組織の凍結保存における解凍後生存率の改善に関する検討

摘要

我々は、凍結条件の改善を図るため生体組織を模した単層培養細胞に凍結順序を与えて凍結保存した場合の細胞生存率をこれまで調べてきた。その結果、冷却部からはなれるほど生存率は低下することがわかったがこの原因については分かっていない。またこの原因を追究することができれば、厚みを持つ組織の単純な凍結過程における組織内部でどのようなことが起きているかを把握する手助けになると考えた．そこで本研究では、この原因を究明することを目的とし、未凍結溶液の濃縮、或いは、各部位における冷却速度変化が凍結解凍後の生存率に与える影響について調べた。